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消化器病センター

消化器病センター
消化器病センター

久留米大学病院消化器病センターは1992年6月に開設され、今年でちょうど30年目を迎えます。総合診療棟3階で、消化器内科、消化器外科、放射線科が協力し、専門性の高い診療ならびに診断、治療を行っています。
外来診療形式は、肝疾患(肝炎・肝がん・NASHグループ、肝胆膵外科)、上部消化管疾患(上部腫瘍班・門脈圧亢進症グループ、食道・胃外科)、下部消化管疾患(下部腫瘍班・IBDグループ、大腸外科)、胆膵系疾患(胆膵グループ、胆膵外科)の専門医が月曜日から金曜日までの午前を中心に外来診療を行っています。
当院は「特定機能病院」であり、他の医療機関からご紹介を受けた患者さんを診察することを原則としており、ご紹介を受けた患者さんならびに再来の患者さんには予約制を採用しています。特に新患の患者さんは、消化器病センターでも医療連携紹介予約センターを介しての紹介を行い、できるだけ待ち時間の短縮に努めています。
肝臓グループは、ウイルス性肝炎をはじめ、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、薬物性肝障害、肝移植、非アルコール性脂肪肝など多彩な肝疾患全般にわたり診断・治療を行っています。肝がんについては、併設する肝がんセンターでの診療となります。
消化管グループは、上部、下部、胆膵系に分かれ、がんの診断・治療、内視鏡的治療、慢性炎症性腸疾患の診断・治療とそれぞれ専門医による質の高い医療を提供しています。潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患などは併設する炎症性腸疾患センターでの診断・治療を行っています。消化器内科としては、それぞれの分野において専門医を揃え、最先端の診断と治療を提供できるよう日々精進しております。

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肝がんセンター

肝がんセンター
肝がんセンター

肝がんセンターは、久留米大学が2003年に文部科学省の21世紀 Center of Excellence (COE)プログラムにおいて「先端的な癌治療研究拠点」に選ばれたことを契機に、肝がんの診断・治療を専門に行う診療施設として、2004年2月に久留米大学病院・総合診療棟3階の消化器病センターに隣接して開設されました。当センターは本邦で初めて開設された肝がんの診断・治療に特化した外来診療施設で、月曜日から金曜日まで内科・外科の肝がんの専門医が診療に携わっています。
久留米大学は肝がんに関する診断や治療のみならず、基礎および臨床研究において国内外から高い評価を得て来ました。このような特徴をさらに発展させ、肝がんセンターでは内科・外科の肝がん治療を専門とする医師が互いに協力し、各々の専門的技術を提供し合い、診断・治療技術を用いて患者さんに最も適した医療を提供しています。また、当センターでは通常の医療のみならず、新しい治療法を開発すべく臨床治験を積極的に行い、肝がん撲滅を目指して久留米から世界に向けて発信して行きたいと考えています。

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炎症性腸疾患センター

炎症性腸疾患センター
炎症性腸疾患センター

炎症性腸疾患は、潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis; UC)とクローン病(Crohn’s disease; CD)からなる慢性の炎症性疾患で、厚生労働省から共に「難病」に指定されています。最近発病率の上昇と共に患者総数は急激に増加し、現在ではUC 約24万人、CD 約6万人に達し、今後もこの増加傾向が持続すると予想されています。IBDは、未だ発症原因は不明で完治させる治療法はありませんが、適切な治療が行われれば、多くの患者さんでは就学・就業など普通の生活を送ることができます。

【概要】

当院は、2009年に九州で初のIBDセンターを開設し、現在はUC400名、CD200名の患者さんを診療しています。久留米大学周辺の筑後地域にとどまらず、大分、佐賀、熊本など近隣県からも含め、年間約80名のIBD患者さんをご紹介いただいています。日常診療においては、IBD専門医が消化器病全般の診療の中で幅広い知識や技術の習得に努めながら、IBDセンターで患者さんの診察を行っています。生物学的製剤、免疫調節薬、血球成分除去療法など専門的治療を積極的に取り入れ、さらに国際共同治験を含む多数の臨床試験への参加を通した医療に携わっています。栄養士、看護師、薬剤師、臨床心理士などメディカルスタッフを交えたチーム医療を実践し、IBDセンターの更なる発展を目指していく予定です。

毎月、消化器内科、小児科、外科など臨床の先生方に加え、免疫学など基礎医学系の先生方も多数参加するIBDカンファランスを開催しています。疾患の原因や治療法について多方面から意見交換を行い、診断や治療が正しく行われるよう心掛けております。また、定期的に地域の勉強会を開き、IBDの最新情報を提供し、関連病院へ適切なサポートを行っています。

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消化器内視鏡センター

消化器内視鏡センター
消化器内視鏡センター

消化器内視鏡センターは、1998年に開設した消化器病センター(総合診療棟3階)内に併設されており、消化器内科医・消化器外科医・小児科医・小児外科医・放射線医の指導医・専門医を中心とした医師、看護師、消化器内視鏡技師、看護助手が協力し合い、年間10000例前後の検査・治療を行なっています。当センター横にはX線透視4部屋が稼働する画像診断センターがあり、連日のように消化管透視・バルーン内視鏡・胆膵内視鏡・経皮的治療が行われています。当院は、日本消化器内視鏡学会の指導施設として認可されており、先進機器を駆使した高度な消化器内視鏡診療を行なっています。

【概要】

2017年に当センターは一部改装が行われ、上部内視鏡用3室、下部内視鏡用2室、超音波内視鏡1室、X線透視室1室の計7室が連日稼働しています。常に最新機器の導入を目指し、VPP/VOPシステムで運営しています。現在、消化管内視鏡領域では、画像強調・拡大内視鏡観察が容易に可能なEVIS X1®︎(OLYMPUS社)を主機種とし、早期癌の発見から正確な範囲・深達度診断を行なっており、さらに大腸内視鏡システムにはAI機能(EndoBRAIN®︎:OLYMPUS社)が搭載されており、見落としの少ない検査を目指しています。近年は、検査治療数が増加しており、特に内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)症例や大腸のポリペクトミー症例が飛躍的に増加しています。元来、肝疾患症例が多かった教室でもあり食道・胃静脈瘤の内視鏡治療(EVL/EIS)も多数例の経験があり、しばしばB-RTO症例も行われています。また、IBDセンターが併設されているため、バルーン小腸内視鏡検査(ダブルバルーン・ショートシングルバルーン)やカプセル内視鏡検査も多く行われています。消化管病変のみならず膵胆道系に対する超音波内視鏡検査や、病理医や細胞検査士の協力で超音波内視鏡ガイド下穿刺吸引法による病理診断例も多数例行われています。
CアームによるX線透視システム下に行われる胆膵内視鏡検査・治療は大型モニターを使用し、内視鏡的乳頭切開術を始め、結石除去術・ステント留置術、さらには胆管・膵管鏡(電子/ディスポ)や電気水圧衝撃波、急性膵炎後膵周囲液体貯留や閉塞性黄疸に対するEUS下ドレナージ術も積極的に行われています。

当センターでは、最先端の機器と技術を用いて、精度の高い診断から患者さんに負担の少ない低侵襲治療を心がけ、かつ安心・安全な消化器内視鏡診療に努めています。

消化器内科病棟

消化器内科病棟
消化器内科病棟

消化器内科は東10階に病棟(47床)を持っており、年間約1100~1200人の患者さんの入院加療を行っています。その内訳は、肝癌、C型肝炎、脂肪肝、薬物性肝炎などを中心とした肝疾患、膵癌、胆道癌、総胆管結石などの胆膵疾患、大腸ポリープや早期胃癌、表在食道癌などの内視鏡治療疾患、炎症性腸疾患、食道胃静脈瘤など、多岐にわたっています。

当科における研修では、研修医は卒後7年以上の医師より指導を受け、担当医として入院患者さんの診療にあたります。
治療方針決定のため、専門分野毎にカンファレンスや教授回診が行われており、最善の治療を提供できるように日々取り組んでいます。また、消化器外科や他科との合同カンファレンスも定期的に行っており、関連科との連携のとれたチーム医療を実践しています。

研修医は指導医と共に検査・治療に参加し、一般的な検査・治療手技のみならず、消化器内科の検査手技についても指導を受けることができます。当科の特徴として、初期研修医は上部消化管内視鏡検査と腹部エコー検査実習が組み込まれており、また各専門分野に関して毎週専門医からレクチャーを受け、技術と知識の向上に努めてもらいます。後期研修医は上部消化管内視鏡検査、腹部エコー検査、血管造影検査を中心とした技術習得と、指導医といっしょに初期研修医や学生の指導にもあたってもらい、診断や治療方針の知識を習得してもらいます。後期研修医は、希望によりがん集学治療センターをローテーションし、化学療法などがん集学治療について学ぶことも可能です。

疾患が多岐にわたりますが、肝臓と消化管の2つの班を構成し、研修期間中にこの2つの班をローテーションし、集中的に疾患を学んでもらうシステムを採用しています。
その他、研修医の先生が快適に病棟業務を行えるよう、医師―看護師―薬剤師と連携をとり、業務整理を行っています。

消化器疾患は非常にやりがいのある分野です。やる気のある消化器内科医を多数募集しています。興味のある方は是非見学に来てください。

高度救命救急センター

高度救命救急センター

当院の高度救命救急センターは、1981年に救命救急センターとして開設され、1990年にはドクターカーの運用が開始され、1994年に九州初の高度救命救急センターとなりました。2002年にはドクターヘリが導入され(本邦5番目)、災害許定病院としてのDMAT活動にも積極的に取り組んでいるセンターです。一方、当センター運用には他科との院内連携が不可欠であり、内科スタッフとして当科の医師が勤務しています。現在は2名がICUスタッフとして勤務し、特に食道胃静脈瘤破裂や出血性潰瘍に対する内視鏡的止血術、急性胆管炎や胆石性膵炎に対する緊急ERCPなどの緊急内視鏡を担当することが多くあります。また、三次救急を主体に扱っており、市中病院や一般病棟とは異なった病態を経験することも多く、違った角度からの消化器内科学を学ぶ良い機会でもあります。

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がん集学治療センター

がん集学治療センター
がん集学治療センター

特徴

エビデンスに基づいた標準治療
食道癌、胃癌、大腸癌、胆道癌、膵臓癌、消化管間葉腫瘍(GIST)、神経内分泌腫瘍(NET,GIST)をはじめとする消化器悪性疾患の薬物療法を中心に治療を行っております。その他にも、骨軟部腫瘍の薬物療法(骨肉腫,Ewing肉腫,脂肪肉腫など整形外科との併診)、甲状腺癌の薬物療法(耳鼻咽喉科との併診)、また原発不明癌の薬物療法を行っております。
多施設共同研究グループによる臨床試験
新しい治療法の開発のために様々な臨床試験に参加しております。日本臨床研究グループ(JCOG)、日本がん臨床試験推進機能(JACCRO)、九州消化器癌化学療法研修会(KSCC)などに参加しております。また、国内外の治験にも積極的に参加しております。また、近年は「がん遺伝子パネル検査」を積極的に行っており、がん遺伝子パネル結果をもとにして、個々に適した治療法を提供する「がんゲノム医療」も行っております。
チーム医療
より良い診療を行うために看護師、薬剤師、栄養士などの多職種カンファレンスを行い、治療方針を確認するなど、チーム医療を行っております。また、がん診療は様々な病状により、身体的・精神的苦痛を抱えていることが多いため、緩和ケアチームと連携してサポートを行っております。さらに、がんの進行により緩和医療を行う必要がある場合は、医療連携室と連携して、地域の緩和ケア病院への転院、在宅緩和医療への速やかな移行を行っております。

診療分野

固形癌の薬物療法

研究内容

  • がん患者における癌関連脳梗塞の研究
  • 高齢者大腸癌による治療最適化を目指した研究
  • 進行胃癌における免疫治療による予後に関する研究

スタッフ

三輪 啓介(外科)、長主 祥子(外科)、田中 俊光、下津浦 康隆、執行 ひろな

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超音波診断センター

超音波診断センター
超音波診断センター

超音波診断センターでは、病院の中央部門として、腹部エコー、乳腺などの体表エコー、心血管エコーなど病院全体からオーダーされた超音波検査や、肝、乳腺、甲状腺の生検や肝癌の焼灼療法が行われています。
消化器病の画像診断の一つとして重要な腹部超音波検査について、当科の肝疾患の臨床に携わる医師が超音波検査技師とともに最新装置を用い年間約8000件の検査を施行しています。
近年、ウイルス性肝疾患に加え脂肪性肝疾患が増加していますが、FibroScanや、Shear Wave Elastography、脂肪減衰度を早くから導入し、これらの診断に役立てています。また、超音波検査は肝腫瘍のスクリーニング検査に有用ですが、これまでのB mode検査に加え造影エコーを用いることにより腫瘍の質的診断能を高めるとともに、CT/MRIとのFusion画像を駆使しB modeで不明瞭であった腫瘤の診断にも取り組んでいます。
処置室では、当科肝癌グループの医師を中心に、肝生検、肝腫瘍生検、経皮的ラジオ波焼灼療法(PRFA)を行っています。PRFAでは、人工腹水、人工胸水注入法、造影エコー、CT/MRIとのFusion画像などを駆使し、確実で安全な治療を目指しています。
近年、医師の負担軽減のためにルーチンの超音波検査は専門技師が行う施設が多くなり、消化器内科医であるにもかかわらず超音波検査が不得手な医師が増加しています。大学病院ではCTやMRIが常に撮影でき読影まで行われますが、開業医や小中規模病院ではそういうわけには行きません。簡便かつ患者に害なく施行でき、小さな診療所にもほぼ配備されている超音波検査の技術をみがくことは消化器内科医として大きな武器となります。希望者には、ルーチンの腹部超音波検査ができるよう指導するシステムを構築中です。

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